AYK RS401i Cyclone

aykが'82年に開催された第1回1/12世界選手権あたりから開発を始め、'83年に発売された4独マシンです。デルタの1/8イーグルを参考にしているようです。（実際、アメリカではベビーイーグルというあだ名で呼ばれたとか。。）

このマシンの問題点（と思われる点）

スイングアーム式のフロントサスは、キャンバー変化が激しいこと。
そのストロークを規制する方法が、ダンパー長の調整しかないこと。
車高調節もダンパー長の調整しかないこと。
肝心のダンパーが小さいがゆえにセットが難しいこと。
シャシーがヤワなこと。（特にアッパーデッキ）
ステアリングリンケージに干渉する部分が多いこと
スタビがないこと。（特にフロント）
サスがきついこと。（リヤ）
ギアのピッチが0.8となっていること。（電動レーシングには0.4ピッチが最適と思われます。）
フロントバルクヘッドを固定するネジが3.5mmという特殊な径のネジであること。

という感想です。

樹脂パーツについては、剛性は確保されているようです。

ダンパーについては、1/12であり、また当時の技術レベルからして仕方ないのかも知れませんが、これに代わる大きさのダンパーがありませんのでこのまま使うしかないですね。（このダンパーの造りは、のちのCRXパーセックと同じ形式です。）

ラジマガ'83年の5月号の特集記事で、当時のaykワークスドライバーの山本茂氏によるアドバイスでは、ステアリングリンケージのロッドは下からとり、ダンパーオイルはハードを、となっています。

また、同号の「セッティングマニュアル公開」という記事では、タイヤ径については、フロント43mm~45mm、リヤ48~51mmとあります。

その後、ということで84年頃のラジマガにあった、「RS402i」あるいは「サイクロンII」のプロトでは、当時の大滝選手のマシンでしたが、フロントにスタビ、ストロークを規制するストッパー、またサスアームのマウントは今のタミヤTRF414Mのような取り付け方になっています。また、シャシーはカーボンFRPでギアもピッチがEXL系のものがついていました。（ちなみに、401iの前のプロトには、フロントサスアームに車高調節用と思われるネジがついていました。）

結局、この「RS402i」あるいは「サイクロンII」はでてくることなく、京商のファントムに刺激されたのか、RF4WDクアトロの後継車CX4WDiにメインマシンは移っていくことになります。

現在のようなパワーソース（3300mAバッテリとか）であったなら、まともなモータさえあればもう少し活躍できたのかな？と思います。駆動ロスも思ったより少なそうですが、当時のリジット3Pマシンにくらべて大きいことは確かです。

私の入手したサイクロンは、前オーナーがモータマウントをかなり削っていて、フロントサスアームはサードパーティ製のものに変更されているようです。

サイクロンは高校入学前に購入を悩んだのですが、今こうしてみてみると確かにマシンとしては魅力的です。しかしながら、当時購入したクアトロと同じく、きっちりした造りではなく、作り手を選ぶマシンであったように思います。今回のマシンは、リヤ回りのサスピンの径（おそらく2mm）に対して穴がほそく、どうしてもフリクションが発生するのでドリルで穴を大きくしてみました。するとスムーズに動作するようになりました。

2004.4.10撮影